大麻コンセントレーツ基礎講座 (1) BHO、CO2、ロジン


世界で合法化の流れが進み、大麻がより多くの人に受け入れられつつある背景には、コンセントレーツ(濃縮物)市場の拡大がある。バッズを乾燥させてパイプやジョイントなどで喫煙する従来の大麻ももちろん人気だが、大麻草からカンナビノイドを抽出したワックスをベポライザーで気化、健康被害を最小限におさえて吸引したり、ハイにならないCBDオイルを治療薬として経口摂取したりといった選択肢が現れたことが、大麻に対するイメージを改善し、喫煙に抵抗があった層も取り込んで市場を拡大してきた。合法州の大麻ショップでは売り上げの約半分がコンセントレーツ商品だそうだ。今後もコンセントレーツが合法大麻市場を引っ張っていくことは間違いない。

コンセントレーツについては2014年4月出版の拙著『マリファナ合衆国』でも軽く触れたが、抽出方法は常に進化を続け、安全性の議論も続いている。今一番ホットな話題は、身の回りの物を使って自宅で簡単にできるロジン・テクニックとう抽出方法だろう。

では現在の合法大麻マーケットにはどんなコンセントレーツ商品があるのかざっと見てみよう。

キーフ

トライコームに付着している小さなクリスタル状の樹脂分泌線。カンナビノイドとテルペン(*)を含む。家庭でも三層グラインダーのスクリーンで集めることができる。THC率20〜60%。最近はBHO人気におされて、あまりみかけることがなくなってきている。ちなみに大麻草が精神作用のあるキーフを作るのは天敵の草食動物から身を守るためだ。

*テルペン:ベリーやパイン、シトラスなど、大麻の風味の元になっているオイル。カンナビノイド受容体に作用。大麻草には100種類以上のテルペンが存在。

テルペンと品種のインフォグラフィック

ウォーターハッシュ

バブルハッシュ、フルメルト、ソルベントレス・ハッシュなどと呼ばれるのはこのタイプ。氷水にトリムした葉を入れてかき混ぜ、トライコームを分離、フィルターしたもの。THC率50〜80%

BHO(ブタン・ハッシュ・オイル)

ブタンを加圧して成分を抽出。その後ブタンを加熱し蒸発させて取り除く(パージする)。質感や外観によって様々な呼び名がある。べっこう飴のようなシャッター、ピーナッツクリームみたいなバダー、蜂の巣状に穴がポツポツ空いているハニーコーム、湿り気のある固形のワックスなど。形状は製造の仕上げ工程や温度によって変わる。シャッターを長期保存するとワックス状になったりする。ブタン残留による健康被害を心配する人も多い。THC率60〜90% 

BHOのなかでもっともピュアで効きが強いのはシャッター。THC80%以上で純度は高いがテルペンも取り除かれる。ワックスにはテルペンが残っているので、効力は落ちるが風味がある。CBDシャッターも存在する。

CO2オイル

高圧ガス(CO2)圧縮によって抽出した大麻のエッセンシャルオイル。琥珀色のオイルで、製造工程により透明だったり不透明だったりする。不燃性で化学薬品を含まない。THC率50〜70%。抽出機器はとんでもなく高価だが非常に効率よく抽出できる。前回の記事で紹介したO.Pen Vapeのカートリッジに使われているのがこれ。

ロジン

コンセントレーツシーンを賑わせている最新の抽出方法。ソルベントレス(非溶剤)ハッシュの一種。乾燥バッズやトリムした葉、低グレードのウォーターハッシュをクッキングシートに挟み、ヘアアイロンで力一杯押しつぶすと、薄黄色のシャッターっぽい抽出物が取れる。THC率50〜70%

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素晴らしきコンセントレーツの世界。しかし残念ながら合法州以外では入手困難な現状。なんと南部のミシシッピー州では、0.01g以上の所持で問答無用に重罪となり、2年の懲役刑。オクラホマ州ではコンセントレーツの製造や譲渡に関わったら終身刑だそうだ。一方「禁止するのではなく管理する」方針のコロラド州では、爆発の危険が伴うBHOの自家製造は重罪とし、認可を受けた製造業者には品質管理を徹底、安全性の向上に努めている。

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