わたしがサイケデリックスから学んだこと


たった1回のトリップで人生を変えてしまうほどのパワーをもつことがあるサイケデリック体験。ティーチャー(師)と呼ばれることもあるサイケデリックスはわたしたちにさまざまな気づきや教訓を残してゆく。私とサイケデリックスのおつきあいは、しばらく間があいたこともあったけれど、通算すると20年近くになる。そこで私がサイケデリックスから学んだことをまとめてみた。

以下にあげることは、必ずしもサイケデリックスを使わないと学べないというわけではない。年を取るにつれて、さまざまな経験をとおして自然と学んでいく人も多いし、きっとなんらかの書物にも書いてあるはず。けど、サイケデリック体験で学んだことは単なる言葉や理論ではなく、衝撃的な体験として確実に自分の力とすることができるというところがポイント。たとえば、「目に見えるものだけが真実とは限らない」という言葉を聞いたとき、サイケデリック体験のない人でも理解できるし、同意できるだろうけど、体験後はこの言葉の理解度がさらに深まる。二次元だったものが三次元になって再確認されるかんじ。

そこには落とし穴もある。オウム信者のLSD体験のように、「グルへの忠誠」を強固にすることも可能なわけで、自分にとってプラスになる学びを得るには、よいセットとセッティングが前提であることは言うまでもない。正しいときに、正しい場所で、正しい人と一緒に、である。

1. 知っていることはすべて間違っているかもしれない

知覚の扉が開かれると物事は違った様相をして現れてくる。知っていると思っていることは、自分がそう信じていることにすぎない。現実はひとつではない。客観的な絶対の現実は存在しない。時間は線ではないし、空間はパラレルワールド。一度すべてを解体すると(それはとても怖いことだけれど)、常識にとらわれず、ゼロから自由に考えることができるようになる。

2. 自分の人生は自分でコントロールできる

一度すべてを解体したら、次は新たに組み建てる作業が待っている。自分で自分を制限しないかぎり、可能性は無限にある。自分の進む道は自分で切り開いてもよい。気に入った選択肢が与えられなければ自分で作ればいい。ビジョンをもち、パッションにしたがって進んでいこう。準備が完璧じゃなくても大丈夫!

3. チャレンジを繰り返すと怖くなくなる

「一度法律を破ると再度法律を破ることへの抵抗感が薄れるため、より強いドラッグに手を出す」というのは、おなじみのゲートウェイ理論でしたね。同様に、一度自分の慣れ親しんだ安全圏(コンフォートゾーン)から思い切って外に踏み出すと、より難しいことにチャレンジするのが怖くなくなるという現象が起きる。恐怖は自分がつくりだしているもの。

4. 物事を俯瞰的にながめると、問題点や解決方法、優先順位がみえてくる

重箱の隅をつつくようなミクロな思考から解放されて全体像をみることにより、全体のなかで今自分がどこにいるのか、どこへ向かっていきたいのか、そのためには何を優先したらいいのか、などを立体的につかむことができる。

5. いま、ここにありなさい。本当の自分自身でありなさい。

私の人生のゴールです。

6. 幸せはすぐ近くにある

身近なものでもよく見ればそこには宇宙が宿っている。ありふれた日常への感謝。人にやさしくありたい。お金や物は死ぬときに持っていけませんね。

7. 死んでも死なない。変化するだけ

とは言っても死ぬのはやっぱりちょっと怖い。でも楽しみでもありますね。

8. 人はみな、宇宙の一部であり、ひとつである

動物も植物も鉱物もひとつ。境界はない。だから世界が平和で、すべての人がハッピーで自由であってほしいと願います。

9. 手放す

サイケデリック体験の意義は、わけがわからないくらいぶっ飛ぶことでも、ものすごいビジュアルを見ることでもない。どれだけ新しい世界に心を開けるか。どれだけ執着を手放せるか。

10. 自然は地球の芸術作品

長持ちするよう大事にしたいです。

***

こうしてまとめてみると、サイケデリック体験から得た最大のものは価値観の転換と、それを支える自信だったんだなと思う。わたしはサイケデリックスに出会う以前より、世間の評価に流されずに自由に自分の生き方を追求したいと思っていた。だから進学高校に通いながら、大学進学せず、就職活動も一切しなかった。1学年300人くらいいる高校だったけど、進学しない人はわたし1人だけだった。敷かれたレールの上を歩くことに魅力を感じなかったから。保守的な大企業なんかに入って、細かい礼儀作法を叩き込まれて会社の色に染められなかったことはラッキーだったと思う。

自分で人生を切り開くなんていうとかっこいいかもしれないけど、そこは人生の教科書が存在しないイバラの道。先人たちが残した道しるべが、ところどころに立ってはいるものの、はっきりした答えを示すものではない。なんのスキルもサポートも持たずにそんな世界に飛び込んだわたしが歩んできた道は決して順風満帆なんかではなかった。エクスタシーも体験したけど、最底辺もみた。そんなことを繰り返して、もがいているうちに、守られた自分の安全圏から出て行くことを必要以上に怖がることはなくなった。安全圏から出ることで、成長し、前進できた。

冒頭でも言ったとおり、サイケデリックスがなければこういうことを学べないというわけではない。お手本になるようなロールモデルが側にいた人もいるだろうし、保守的な大企業ではなく、外資系やベンチャー企業で鍛えられた人もいるだろう。でも私にはサイケデリックスがティーチャーであり、支えだったのだ。

サイケデリックスは毎回なにかを学ばなければいけないというような難しいものでもなく、素晴らしい音楽を堪能したり、ダンスしたり、笑ったりして楽しむだけでもそれはそれでクールなことだ。

みなさんはサイケデリック体験から何を学びましたか? よかったらコメント欄でシェアしてくださいね〜。

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8 comments, add yours.

S.S

初めまして。興味深く記事を拝見させていただきました。
ちょっとしたことなのですが、少し気になりコメントさせていただきます。

どうして、サイケデリクスマインドを保持しつつ保守系大企業に勤めている人のコメントにはリプライしていないのでしょう?

よく思うのですがこういうのって、結局、資本主義という現代の大きなタームの中からあぶれてしまった人が、その世界に疎外された状況下での自己肯定の手段にしているという構造を持っているのではないのかなと。そしてそこには大きなディスコミュニケーションが孕まれているのかなと。

もちろんそう言ったネガティブな動機だけでなく、時代に疑問を持った上で対峙していくための手段であるとも思っています。オーガニックで純粋なサイケデリアは現代では忘れ去れてしまった、あるいは体制によって抑圧されてしまった過去の価値です。今の時代に反旗を翻すのであれば過去の世界、異なる位相の世界に飛び込むことはもちろん必要でしょう。

しかし、そこに帰り道はしっかりと、存在していたのでしょうか?今の世界と違う世界に飛び出して行って、強烈なサイケデリクス体験を経て、しっかりと、帰ってきてくれているのでしょうか?
しっかりと、というのはつまり、アウフヘーベンをはたしているのか?ということです。現代のタームと向き合っているのか、ということです。
生活レベルでの帰還ではなく、意識レベルでの帰還は果たしたのか、ということです。

このコメント欄を見て、なんだかむず痒くなりました。
もっともらしいことをみんなで言っているようで、なんだかみんな、まだ修学旅行が終わってないのに、みんなで修学旅行の思い出話をしているみたいです。

体制側の人間に対するノーリプライは、選民意識ゆえなのか、そもそもあなた方がすでに声の届かないところ竜宮城みたいなところにいるのか、どちらなのか、純粋に気になるのです。サイケデリクスを経過して今の時代を生きている人が、自分のことをどう言う風に把握していて、どんな意思決定をなされているのか、気になるのです。単なるコメントのし忘れであったのなら、すみません。

サイケデリクス体験に興味を持った、大学生です。
旧世代を踏破するべく闘争を果たした後の過去の新世代は、現在の、多分同じよううな人種である新世代にどんな言葉を投げかけてくれるのか、期待と不安を抱えながら、コメントの返信待っています。
表現や言葉遣いに関しては、悪意のない単なるレトリックであることをご了承ください。このような記事をたくさん書かれてくださっている管理者様には感謝と尊敬の念を持っています。

以上、長々と失礼いたしました。

say

私も同じようなことを色々と学び・・・というか気づかされましたね。
自分の小さなビジョンから抜け出せたことが一番有益な経験だったと思います。

他人への憎しみや、些細なことでの怒りなど、エゴやネガティブな感情は、
自分のクリアな視界を曇らせるだけなんだと気づけました。

いつも興味深い記事を楽しく読ませてもらってます。
これからも面白い話しを聞かせてくださいね。

    Love S. Dove

    Author

    同意します。気づきの分かち合いありがとうございます。
    有益な経験ですね。その感覚、大事にしたいですね。
    私も自己中心的な視点から抜けだして、日々愛と奉仕の精神を忘れずにいたいと思っています。

Jame

共感しました、素晴らしいですね。割と保守的な企業?に勤めながらも、サイケデリックスはいつも心に持ってます。

HAL・9000

Legalize Spiritual Discovery==新しい精神の発見を認めろ!・・
って事ですかね。

    Love S. Dove

    Author

    素晴らしい!そのとおり!

MentalGiant

全項目共感しました。身近なものでもよく見ればそこには宇宙が宿っている。本当に奇妙な世界ですよね。全てがフラクタル。仰る通りサイケデリックスでなければならないことはない中で、この道を選んだ人間の強みは、自分の、引いては人間の可能性というものに気付けますね。神経と脳の可能性って言った方がいいのかな。いつも見てます。頑張ってください。

    Love S. Dove

    Author

    MentalGiantさん

    いつも見てくださっているとのこと、ありがとうございます。はい、奇妙な世界ですね。不思議なものや美しいものにはいつも魅かれます。人間の可能性に気付くと同時に、制限にも気付かされます。肉体を持つ者の宿命ですかね。

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