LSDのサムプリントとは


Shroomeryという掲示板の10年以上前の投稿なんですが、伝説となっている名スレッドがある。グレイフル・デッドのツアーを追いかけて全米を旅しながらLSDを売っていたchinacat72さんの「サムプリント(thumbprint)」スレッド。80-90年代の話と思われる。

みなさんが手にしたことがあるLSDはおそらく紙片か液体だと思うが、ご存知のとおり、工場出荷時のLSDはクリスタル結晶。そのクリスタルをグラム単位で購入し、希釈して水彩画用紙に吸い込ませ、ブロッター紙片をつくるという「神聖な仕事」に携わってきた人なんだが、その過程でサムプリントをするという「ファミリー」の伝統があったそう。

サムプリントとは何か、chinacat72さんの話を訳してみた。

LSDのクリスタルはガラスの小瓶に入っている。高密度だから同量のコカインや小麦粉よりもずっと少なく見える。10gの瓶なら手の中に隠せるくらいのサイズだ。

はじめてファミリーからクリスタルを買うときには2つの条件がある。
1. 紙片の作り方をしっかり教えてもらい、1人でやっても大丈夫だと信頼してもらうこと 
2. サムプリントをすること。

LSDクリスタルを扱うのはしかるべきエネルギーとカルマの持ち主だけに限るという信念をファミリーはもっている。LSDへの信仰をテストするにはサムプリントするのがベストなのさ。

元祖サムプリントは瓶の上から親指を突っ込んで、素早く逆さまにするという方法でやった。そしてクリスタルでコーティングされた親指を手のひらに押し付ける。ちょうどクリスタルの拇印を押すみたいに。だからサムプリント(thumbprint=拇印)っていうんだ。手のひらから吸収させるか、指を舐めてもいい。この拇印が君のLSD取扱者認定証ってわけだ。

最近のサムプリントはクリスタルを食べる。クリスタルを食べることをプリントするという。そのほうが効率がいい。

体験について話そう。みんな(少なくともプリントするまでは)LSDをよく経験済みだと思ってる。瞬く間に感じるよ。LSDクリスタルにはそういうエネルギーがあるから、瓶をポケットに入れているだけで意識が変容する。皮膚に触れたり、口に入れたりした瞬間にすぐ感じる。数分以内に嘔吐する人も多い。エクソシズムのようなものだと思う。悪いエネルギーが体の外に吐き出されるみたいに。その後、君は横たわり、学びが始まる。体験をうまく表現するのは難しい。二度と同じ人ではいられないよ。サムプリントは知覚の扉を開くどころじゃない。扉の蝶番を吹っ飛ばしてしまう。君はエターニティのなかへ溶けていく。手放して、すべてであるこの一瞬間のなかへと死んでいく。そのときにはもう君はいなくて、ただすべてがあるだけだ。この強烈さは表現できないが、慣れ親しんだ世界から静かに去っていくのがわかる。死んだらこういうふうになるんだとはっきりわかってくる。そしてゆっくりとエターニティから戻ってくる。生まれ変わって、まったく新しい人になる。完全には元に戻ることはない。でもそれは悪いことじゃないよ。最初はすごく怖いけど。これ以上は書けない。

バッドになったプリントは1回だけ見たことがある。そいつは今は幸せに暮らしていて、プリントしたことは人生でもっとも重要なイベントだったと言っているから、結局悪くはなかったのだろう。そのときの反応の仕方は最悪だったけど。

バッドトリップに関して言えば、サイケデリックスは多量摂取したほうが安全だと思う(サムプリントレベルではないにしろ)。量が多ければ、自我の防御システムを上書きしてしまうから。自分がなくなるから、何も考えなくて済む。バッドになってしまった、とも思わない。

体験後、1週間は何も食べなかったそうだ。プリントした後は日常生活をこなせるようになるまで数日から1週間ほどかかる。死の向こう側にあるエターニティへ、すでに行ったことがあり、兄弟愛と信頼関係で結ばれている先輩たち(ファミリー)がchinacat72さんの面倒をみてくれたことは強調しておくべきだろう。この体験を経て生まれ変わった彼は、LSDは神からの贈り物と信じ、ツアーを追いかけながらホテルの部屋を転々とし、この1枚が誰かを光明に導くかもしれないと思いながら、LSDクリスタルを紙片に染み込ませ続けたそうな。

サムプリントは量を計って食べるわけではないので正確にはわからないが、だいたい1回のプリントは紙片でいえば数シート分(数10mg、1シート100枚)から、多ければ1/2グラム。1枚100mcgとすると、1シートは10,000mcg=10mg。1グラム=100シート=100,000枚。1回でそんなにたくさん使ってしまうなんて、私なんかはずいぶん贅沢だなあと思ってしまいますが。LSDネットワークの上層は本当に無私で献身的な強い信頼関係で結ばれた人たちなんだそうで、サムプリントは信頼の儀式のようなものだったようだ。なお、アメリカで最大のLSD逮捕劇となったカンザスのLSD工場の人たちはファミリーではないらしい。

LSDビジネスからは完全に手を引き、大学に戻って心理学を勉強しているchinacat72さんだが、現在(投稿時)でもビジュアルが見えるという。慣れたから気にならないそうだが・・・。ちなみに定かではないがchinacat72さんはもう亡くなったようです。

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