アヤワスカのリトリートセンターで起きた悲劇


アヤワスカの儀式で死亡事故が起きた。18歳のアメリカ人カイル・ノーランは、ペルー南東部のアマゾンジャングル、マリオ・デ・リオス郡へ向かい、「シンブレ・シャーマニック・センター」でアヤワスカを飲んだ。帰国予定日の8月27日を過ぎてもノーランは戻ってこない。両親が捜索願を出したところ、センター敷地内の土中からノーランの死体が発見された。

報道機関が伝えるところによると、8月22日にノーランはセンターでアヤワスカの儀式に参加し、その翌朝に死んでいた。死体を埋め隠蔽をはかった、儀式の進行役シャーマンのホセ・マニュエル・ピネダ容疑者と男2人が逮捕された。ピネダ容疑者は、ノーランが死んだのはアヤワスカを飲み過ぎたためだと警察に供述した。

シンブレ・シャーマニック・センター(元Chimbre、現Shimbre)は、ウェブサイトを公開し、欧米からの参加者を積極的に募っていた。どこかで聞いたことがあると思ったら、ナショナルジオグラフィックチャンネルが昨年放送した『Drugs, Inc.』に登場する元ウォール街証券ディーラーが2年程前にオープンしたばかりのセンターだった。

どうしてこんなことが起きてしまったのだろう。ノーランがどんな状況でアヤワスカを飲んだのかはわからない。シャーマンやスタッフによるケアが不十分だったのかもしれないし、アヤワスカの質が悪く、なにか毒性のものが混入していたのかもしれない。非常にパワフルなアヤワスカは身体にとっても、精神にとっても、大きな負担がかかるものであるが、伝統に基づいた扱われ方をするかぎり、命にかかわるような危険なものではないと思う。なにしろアマゾンの先住民の間では何千年も前から使われてきたのだ。(ただし、ある種の抗うつ薬などを飲んでいるとセロトニン症候群で死亡する可能性もある)

西洋人はヒーリング効果を期待したり、スピリチュアルなワークとしてアヤワスカを求めるが、伝統的なアヤワスカ・シャーマニズムの世界はけっしてラブ&ピースなどではないし、地の底から魂を引き上げられることもある一方で、アストラルトリップのなかで呪いをかけられ、病気になったりするなど、恐ろしい一面もあわせもっている。シャーマンの意思ひとつで薬にも毒にもできるのだ。

シャーマンにはもちろん医師免許など必要ない。極端な話、それらしいパフォーマンスをするだけで誰でもシャーマンを名乗り、ナイーブなツーリストから大金をむしり取ることも可能。その背景には、ペルーや先住民の村落がかかえている貧困の問題もあるだろう。

無責任なシャーマンによる形だけのビジネス的儀式の問題はシンブレ・センターに限ったことではない。同じような事故は他にも起きている可能性がある。ある欧米人女性は、「治療のために必要」と言われ、アヤワスカの影響下でシャーマンにレイプされた。後日、やっぱりおかしいと思い、警察に届けたという話も聞いた事がある。

慣れない旅先で、文化や言葉の壁がある相手と深い信頼関係を築くのは難しい。私たちはどうしたらいいのだろう? シャーマンのバックグラウンド情報を共有し、注意深くなることぐらいしかできないかもしれない。

とにかく悲しい事故だ。こんなことが二度と起きないことを願う。

U.S. Teen Dies After Taking Hallucinogenic Drug, Ayahuasca, in Peru (Time)

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5 comments, add yours.

Love S. Dove

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meg

アヤワスカの話は大好きなので、長文コメントとても嬉しいです〜☆

目的を明確にして飲むことは必要だと思いますが、願望があまりにも強いと
それが執着になってしまうことがあるかも。
私も、素敵なビジョンを期待して飲んだのに、地獄を体験しましたから。
聞いていた話と違う、どうして私だけがこんな辛い体験を?と
その後数年間、悩み考え続けたおかげで、とっても勉強させてもらいました!

おっしゃるとおり、サイケデリクスは楽しい体験だけではありませんよね。
表層意識が望んでいる体験ではなくても、
そのときの自分がいちばん必要としていることをメディスンは知っていて、
それを与えてくれているのだと思います。

だから、ディテールは天におまかせして、
メディスンが裏でしっかり仕事をしてくれていると信頼し、
私たちはただ身をゆだねるだけでいいのです。

どこの先住民の村にも貨幣経済が入って来ています。
それはもう避けられないことです。
彼らがお金を持つこと、それにより教育を受けられるようになることは
彼らが自分たちの権利や土地を守る力にもなりうるから、
外国人から高いお金をとることが必ずしもダメだとは思いません。

また読みにいらしてくださいね♪

meg

なるほど、、伝統的な儀式とお金やビジネスが絡んでくると、儀式そのものの意味が歪められてしまう部分があると感じました

レイヴパーティーも、だんだん商業化してきて事件が起きたり、いろいろありましたものね(o>ω<o)

あと、サイケデリックは楽しいとか快楽だけではない、、悟りとも違い、、欲を出してしまうとそこが拡大されたりするので、、
(わたしは、悟りたいと思ってしまい(笑)随分、追及させてもらいました)

アヤワスカなどの植物は更にパワーが強そうですね

このエネルギーに自分を委ねるとなると

普段から

お金というフィルターをどう観て扱っていくのか?
悟りに欲を出さない、サイケデリックの状態を純粋に楽しむ♪

などなど、自分の状態をよく観察しておくのも大事かなあと思いました

と長々またコメをしてしまいごめんなさい
(しかも文章が下手なのでまとまらず(;_;))

また、お話、楽しみにしていますね
o(^-^)o

Love S. Dove

Author

GSX
ビジネスマンの怖さをよくご存知のようですね・・・。

meg
こういったビジネス?は価値がはっきりしないだけに、信頼が大切ですよね。2週間の休暇しかとれなくても、わずかな情報と自分の勘だけを頼りに優れたシャーマンを探し出す必要がないことや、英語と西洋文化を理解するカウンセラーがいるという安心感を買うために、参加者たちは高い料金を支払っています。伝統的な聖なる儀式と、それを一族の外へ出しお金のやりとりをすることについて、もういちどよく考えなければならないと感じた事件でした。

守られてる感があるパーティー、いいですね。そういうパーティーは、その土地の精霊をよく知っているシャーマン的な人がオーガナイズしているのかもしれませんね。

meg

悲しい事件ですね、、

ほんとうに、セッティングとガイドがばっちりであれば、、こんな事にはならないはずですよね(;_;)

あと、神聖な儀式こそ、その時儀式を受ける本人の野生の勘や安心感も大事かもしれませんね

以前、レイヴで山の中を自分が誰なのか、生きてるのか無意識でさ迷いましたが(笑)守られてる感があるパーティーは怖くなかったという思い出を思いだしました

いくら有名なシャーマンでも、なんか、合わないなあと思ったら儀式を辞める決断も必要かもしれませんね

GSX

まじですか、、、、ビジネスマンは怖いわ〜

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