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Love S. Dove: エンセオジェン研究家。90年代後半にゴア/サイケデリックトランスに出会い、その後アジアや中南米を訪れる。もっと読む
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    2012年5月11日

    火のセレモニーとウィチョールの世界のはじまりの話

    5月5日、夜8時。火のセレモニーに参加した。とりしきるのはウィチョール族のシャーマンの元で修行したアメリカ人エリオット・コーワン。屋内の暖炉に薪がくべられ、30人ほどが炎をかこんで座る。

    タテワリと呼ばれる火のスピリットにカカオ豆とたばこの灰と小枝をオファリングする。聖なる4方向の中心に位置するタテワリは、宇宙のエネルギーセンター。エリオットが葉巻に火をつける。甘い香りが漂う。炎がパチパチいいながら、部屋のなかをやさしく照らしている。なんとなくハイになってくる。香りに魅かれたスピリットがやってきたのだろうか。

    メキシコの山間部に暮らす先住民族ウィチョールはカトリックの影響をほとんど受けずに伝統的な宗教生活を維持してきた数少ない部族のひとつ。男たちは過酷な巡礼の旅に出て、シャーマニックな力を手に入れる。ペヨーテ(ヒクリ)を探しに行くことと、それを儀礼的に食べることが修行の中心。ペヨーテは青い鹿のスピリット、カユマリの化身として崇められ、ペヨーテ狩りに行くことを鹿狩りに行くと呼ぶこともある。

    オファリングが終わると、エリオットがおもしろいジョークを話してほしいと言う。あちこちから手があがり、人種や宗教に関するもの、下品なものなど次々と飛び出した。残念ながらたいていのジョークはユニバーサルではない。アメリカ人参加者と同じ背景を共有していない私にはほとんどわからなかったけれども、話者がオチを言うと同時に、花瓶が割れたみたいに大きな笑いが場の空気を引き裂くと、なるほど、ユーモアには場のバイブレーションを高揚させる効果があるのだとわかる。

    「歌うことと笑うことを知る者はいかなる困難にもくじけない」とは北山耕平さんのネイティブマインドに引用されているイグルーク・エスキモーの言葉。ユーモアは聖なるものなのだ。

    質疑応答がはじまった。大きな眼鏡をかけた男性がサイケデリックスはなぜ違法なのかという質問をした。リスペクトして適切に扱わないと危険だからというエリオットの回答に私も同感だ。彼はとても長い時間をかけて回答した。ゆらゆらと揺れる炎と同期するかのようにソフトに話す。このセレモニーは白人向けの商業的なものだけれども、ウィチョールの人々はきっとこんなふうに炎をかこんで夜遅くまで(朝早くまで?)シャーマンの話を聞いたのだろう。彼らはその話を書きとめるための文字を作らなかった。

    私も質問をした。「地球における植物の役割はなに? 聖なる植物は私たち人間になにを伝えようとしている?」
    エリオットは答えた。植物はなにも考えない。ただあるがままで完璧なのだ、と。人間は頭脳を与えられ、それは役に立つものでもあるけれども、自己と他者が分離しているというイリュージョンを生み出してしまったのだ、と。

    日付が変わり、外に出ると、空にまんまるの月が白く輝いていた。今年一番大きく明るい満月。ふだんなら懐中電灯なしには歩けないほど真っ暗な道は、月に照らされて、いくつもの松ぼっくりが転がっているのがはっきりと見えた。

    いつもより遅く寝たけれども朝早くに目が覚めた。ブラインドのすきまから新しい朝の太陽の光が差し込んでいる。外に出て、少し山を登る(家は山の斜面にたっている)太陽に手をかざし、その暖かさを感じてみた。するとそばでガサガサッと音がして、振り向くと、一匹の鹿が歩いていた。この土地は鹿をはじめ、熊やピューマなどの野生動物と共有している。鹿の群れにはよく出会うし、人に慣れているのかだいぶ近づいても逃げようとしない。ただいつもは鹿は群れで行動している。周りを見回しても他の鹿は見当たらない。一匹の鹿は木々のあいだへ姿を消した。

    ふと、あの鹿はほんとうに鹿だったのだろうかという思いがよぎった。あるいは鹿に姿を変えた何者か・・・。

    ウィチョールの人々に伝わる、世界のはじまりの神話がとても素敵です。

    青い鹿が静寂の世界に住んでいた。他には誰もいなかった。ある日、鹿は歌を歌い始めた。世にも美しい音色だった。

    歌は風にのって世界のはじまで運ばれ、他の神々の耳にも届いた。この美しい音楽はいったいどこから来るのだろうと不思議に思った神々は、歌の聞こえてくる方角へ歩きはじめた。
    神々は今まで存在を知らなかった他の神々と出会い、仲良くなって、音のする方へと共に旅をした。

    旅をしながらお互いのことを知り、やがて山の草原に神々の一同が集った。青い鹿が歌を歌っていた場所だ。青い鹿の愛らしい歌に刺激された神々は生命を創ることにした。植物、動物、人間を創り、そのひとつひとつの内側に美しい音楽を埋め込んだ。

    このようにして世界ははじまった。エクスタシーと音楽と共に・・・。

    2012年4月25日

    スチュアート・ブランドのホール・アースのヴィジョン

    ホール・アース・カタログの「ホール・アース(地球全体」というアイデアは100マイクログラムのリゼルグ酸ジエチルアミドの力を借りて受け取った。1966年2月、トリップスフェスティバルの1ヶ月後のこと。僕はそのときサンフランシスコのノースビーチで屋根の上に座っていた。28歳だった。

    屋根の上から見た建物は平行に並んではいない。なぜなら建物の下の大地がカーブしているから。みんな、地球は平でどこまでも続いているかのように思っているけど、その間違いが地球に対する不作法の原因なのだとバックミンスター・フラーは言っていた。このことを伝えなければならない。写真があればいいんじゃないか? 宇宙から見た丸い地球全体のカラー写真が。そうすればもう誰も今までと同じ目で地球を見れなくなるだろう。どうしたら宇宙へ向けられたNASAのカメラを反対向きにできるだろう?

    ホール・アース・カタログの制作・編集者スチュアート・ブランドは、このビジョンを受け取った翌日、大量のバッジを注文し、「どうして僕らはまだ地球全体の写真を見た事がないんだろう?」というメッセージを印刷した。そして白いジャンプスーツに身を包み、帽子には花をくっつけて、カリフォルニア大学バークレー校の校門前に立った。一つ25セントでバッジを売りさばいた。大成功だった。大学の職員につまみ出されたけど、サンフランシスコ・クロニクル紙が彼のことを記事にしたのだ。「伝えたい」という彼の目的は達成された。

    その2年後、アポロ8号が月を周回し、はじめて宇宙から見た地球を撮影した。青い海に緑と茶色の大地。繊細な宝石のような惑星。地球全体を見ると、人間はいかに小さな存在であるか。その写真の衝撃がアースデイへとつながり、エコロジー運動や、ひとつの政府、ひとつの経済という考え方が生まれた。

    スチュアート・ブランドのすごいところは、屋根の上でLSDを摂取してひらめいたことを、トリップ中の単なる勘違いに終わらせず、確信をもって行動に移した点にある。奇抜な格好をしてバッジを売るというアイデアは、ケン・キージー率いるいたずらっこ集団メリー・プランクスターズとの交流のおかげかもしれない。彼にはビジョンを形にするための下地ができていた。そしてビジョンは適切なタイミングでやってきた。

    私の天職はなに? 今生の目的はなに? 私は誰? そんな思いがわくとき、答えは自分のなかにすでにあるのだと思う。逆に言えば、自分で答えを持ち合わせていない事柄には疑問を抱くこともない。自分というのは、目に見える皮膚の内側の自分だけではない。肉体の自分は、物質の世界におけるひとつの現象にすぎない。肉体をもたないエネルギーの自分いる。高次の自分がいる。真の自分がいる。

    ハートだけが正しい答えを知っていると、ディーパック・チョプラは言っている。答えを導き出すのは頭脳ではないのだ。ハートは理性的思考を超えた正確で厳密なコンピュータなのだそうだ。

    ハートから、真の自分から、答えが返ってくるきっかけは、LSDかもしれないし、夢の中かもしれない。瞑想で無の空間にいるときかもしれないし、チャネリングかもしれない。あるいは、うーんと考えこんだ後、トイレに立ったときかもしれない。ふと散歩に出たときかもしれない。

    ハートに話しかけ、どんどん質問をしよう。出会いや環境や読み物が答えをもってやってくる。

    Posted by Love S. Dove | LSD |スピリチュアリティ | コメント (0)

    2012年4月22日

    ポップカルチャー化される4/20 マリファナの日

    今年の4月20日は金曜日だった。6時まで仕事だったはずが、なぜか急遽3時半で終了したので(なぜだろう?)、ツイッターにアクセスしてみると、「魚カス肥料臭い!」とか「上空にヘリが来た」とか「逮捕者が出た」とか「ワイクレフが自分のコンサート放り出してデモに参加してたら笑えるな」などといったツイートが飛び交っていた。

    これらはコロラド大学ボルダー校(CUボルダー)からの実況ツイート。CUでは毎年キャンパス内の広場に約1万人が集まり4時20分に一斉に大麻を吸う“スモークアウト”が行われていたのだが、ついにパーティーが盛んな大学ランキングの1位に輝いてしまった大学側はこれを不名誉に思い、今年は4月20日のキャンパスへの部外者立ち入り禁止を決めたのだ。

    当日、キャンパスは警官に包囲された。学生や職員はID提示を求められた。広場の芝生には魚カス肥料(とても変な匂いがするらしい)がまかれた。大学は学生向けにヒップホップアーティストのワイクレフ・ジーンの無料コンサートを開いた。ワイクレフは8万ドルの出演料で、「420」や「マリファナ」に一切言及しないという契約書にサインしたとのこと。

    それでもキャンパスには200〜300人が集まり、イベントの追い出しに抗議し、4時20分には大麻に火をつけた。

    そんなことがありつつも、北米各地で行われた4/20イベントやデモは大盛況だったようだ。アメリカでの大麻合法化支持率が50%に達した今、大麻はメインストリームにのし上がろうとしている。その証拠に、カウンターカルチャーのお祝いの日にすぎなかった4/20が、お金儲けに利用されはじめた現象にふれておこう。

    ボブ・マーリーのドキュメンタリー映画『Marley』が4月20日に封切りになった。大麻愛好家ウィリー・ネルソンの銅像が4月20日にお披露目された。いずれも映画の監督やネルソン自身が望んだわけではなく、配給会社などがプロモーション的な理由で4月20日に公開を合わせたのだ。また、メジャーな新聞が4/20のおすすめイベントを紹介したり、デモ会場にはスナック菓子Munchiesを売り歩く人が現れたり。イベントに出かけずに家で4/20を祝う人たちをターゲットにして、ケーブルテレビ局は大麻のバカ映画(ストーナー・ムービー)を立て続けに放送した。

    何でもお金儲けにしてしまうのはいかがなものかと思うけれど、儲かるとわかれば大企業も大麻合法化支持に向かうのかもしれない。

    11月にはコロラド州ワシントン州が、国民投票で大麻合法化を問うことが決まっている。

    極右と言われるほど保守的なことで知られるキリスト教テレビ伝導師のパット・ロバートソンが、大麻はアルコール同様の規制にするべきだと発言したことにも注目したい。

    北米でマリファナデー、各地でデモや大麻パーティー(AFPBB News)
    High Expectations: Marketers Hope for Buzz on 4/20 (Wall Street Journal)

    2012年4月21日

    薬物の合法化を望む中南米諸国

    中南米から興味深い動きが出てきた。

    先週末、コロンビアで開かれた米州首脳会議(アメリカ・サミット)において、ホストのコロンビア大統領ホアン・マニュエル・サントスは、機能していない麻薬との戦争は終わりにして、専門家に世界の薬物問題をしっかりと分析してもらった上で別の作戦を検討したいと、33の参加国リーダーに提案した。別の作戦とは、大麻やコカインの合法化を念頭においている。

    この動きは、今年始めにグアテマラの大統領に就任したオットー・ペレス・モリーナからはじまっている。彼が中南米各国のリーダーに呼びかけ、賛同を得て、サントス大統領の米州首脳会議での発言へとつながった。

    西洋諸国では、違法薬物の問題は主にユーザーの健康被害の問題にとどまっているのに対し、アメリカへの薬物輸出国である中南米では、ドラッグカルテルによる暴力事件が激化し、国家の安全を脅かす深刻な問題となっている。これまで中南米諸国は多額の資金を投じて、薬物の生産者や密輸者に武力行使することで薬物と戦ってきた。しかし薬物犯罪は増加する一方で、メキシコだけでも過去5年間に5万人が殺害されるという結果を招いてしまった。中米での密輸に関わる暴力事件の死者数が、米国での薬物使用による死者数を上回っているという。

    ペレス・モリーナ大統領は保守派で軍隊の将官出身という異色の存在。流血沙汰の数々を間近に見てきた彼だからこそ、麻薬との戦争政策がいかに不毛なものであるかをよく理解しているのだろう。偏見や政治的信条は捨てて、この問題をもっとしっかりと話し合う必要があると考え、合法化でカルテルの資金源を奪うという作戦に辿り着いた。

    「アメリカの薬物法が、ある地域では利益よりも被害を生み出しているのかどうかについて、話し合う意向はある」

    オバマ大統領はサントス大統領にそう告げたが、合法化が解決法だとは思わないとも発言している。合法化をすればより大きな問題につながるとオバマは考えているようだ。彼が中南米諸国に提供したのは、更なるセキュリティ強化のための1億3000万ドルだけだった。

    日本のメディアはオバマ大統領がキューバのサミット参加を認めなかったことで反米感情が高まっていると報じているようだが、反米感情の原因はそれだけではない。中南米諸国はアメリカ主導の薬物政策はもうたくさんだと思っているし、オバマの薬物問題への非積極的な姿勢もその背景にある。

    オバマは合法化反対の姿勢をとってはいるが、昨年6月に、Global Commission on Drug Policy(薬物政策の国際委員会)が麻薬との戦争は失敗だったと発言したことで議論がわきおこり、アメリカも揺らいでいる。

    アメリカ主導の薬物政策を押し進めるのではなく、問題の原因を根本から探って、もっとしっかり話し合う方向へ向かいたい中南米諸国は、国家を超えて団結し、困難に挑もうとしている。大規模な改革になるだろう。長い年月がかかるだろう。それでも今回の動きは、劇的な一歩を踏み出したと言えるのではないだろうか。

    2012年3月25日

    ナショナルジオグラフィックチャンネルのDrugs, Inc.

    ケーブルTVのナショナルジオグラフィックチャンネルは、”Inside LSD(潜入!合成麻薬LSD)”や”Taboo“シリーズなどで中立で良質なドラッグのドキュメンタリー番組を制作してきました。最近アメリカで放送されたDrugs, Inc.という新シリーズでサイケデリックスのヒーリング効果に焦点をあてた番組がありました。YouTubeにアップされていたので紹介します。

    ヒッピー達がLSDでターン・オン、チューン・イン、ドロップアウトしたのはかれこれ40年前。新世代のユーザーたちは、遊びのためではなく、依存症や病気の治療のために意識を変容させるパワフルなドラッグを使っている。

    ・ペルーでアヤワスカ治療センターを運営しているロブは元ウォールストリートの銀行家。無料で治療セッションを行っている。セッションに参加したキムは性的虐待によるトラウマを抱えている。アヤワスカを飲み、12歳のときに中絶した自分の娘に出会う。素敵な女の子に成長した娘に、お母さんはとても強い人だと言われて楽になる。

    ・LSD製造所の摘発をした捜査官。数千回分のLSDを吸収してしまい、病院へ運ばれる。24時間に及ぶ苦痛の体験の後、脳に後遺症が残る。文字が読めなくなったり、ビーチに散歩にでかけたら、帰り方がわからなくなってしまったり。

    ・ヘロイン依存症者にイボゲインを与えているディミトリは、自らも20年間にわたり依存症だった。イボゲインのおかげで人生を取り戻した彼は、投獄されるリスクをおいながらも治療を続けている。

    ・激しい痛みを伴う群発頭痛に悩むダンは、治療のためのマジックマッシュルームを自宅で栽培している。自宅でトリップする彼を見て、家族はあまり好ましく思っていないが、頭痛が治るのであれば仕方がない。

    ・スイスで行われているLSD研究。死を目前にひかえた癌患者の女性が医師の立ち会いのもとでLSDを摂取する。セッション後、死に対する恐怖が消え、今のこの瞬間を生きようと思うようになった。

    2011年12月30日

    ベスト・オブ・エンセオーグ|人気記事ランキング2011

    2010年12月30日から2011年12月29日までの集計結果です。今年は小説を書き始めたり、隔離された環境で奴隷労働をしたりしていたため、あまり更新ができませんでしたが。昨年のランキングはこちら

    総アクセス数:69,583、ユニークビジター:48,492

    全記事対象ランキング 
    1位 放射能汚染土壌を浄化する産業用大麻
    2位 合法ハーブ「スパイス」シリーズは、合成カンナビノイドでできている
    3位 多幸系?合法ドラッグ「Doves(ダブス)」の成分
    4位 ゴンゾー:ハンター・S・トンプソンの生涯と仕事
    5位 合法ハーブの常用は危険です

    2011年に書いた記事のみ対象のランキング
    1位 射能汚染土壌を浄化する産業用大麻
    2位 合法ハーブの常用は危険です
    3位 ウルトラヘヴン
    4位 LSD製造の王様オーズリー・スタンレー
    5位 自我への執着を手放す

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    よく売れていた本は、ウルトラヘヴン (1)〜(3)精神の星座 (内宇宙飛行士の迷走録)彼岸の時間―“意識”の人類学The Ayahuasca Visions of Pablo AmaringoLSDと仏陀とビートルズスペクテイター Vol.22介護入門など。ゲームやキッチン用品もいろいろ売れていました。

    問い合わせに返事がないので薬草ショップのアフィリエイトはやめました。

    今年もサポートありがとうございました。読んでくださる方々の声に支えられています。あなたの新しいスタートを祝福します。幸あれ。

    Posted by Love S. Dove | お知らせ | コメント (0)

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