恐怖のドラッグ・テスト。違法薬物を使用すると、尿、血液、毛髪、唾液、汗などから、その痕跡を検出できることはご存知のはず。各薬物が、体内にどのくらいの期間残るのかはこちらを参照。
なんと、どんなヘヴィーユーザーでも、体内から薬物の代謝物を完全に除去し、テスト結果を陰性にしてしまうという魔法の薬が売られているんです。しかもたくさん。インターネットはもちろん、ヘッドショップやハイタイムズの広告にもひしめきあっている、これらの製品は一体なんなのでしょう?その正体を暴いてみました。
Clean Machineというブランドの、Eliminatorという商品。ウェブサイトの宣伝文句には、こうある。
4日間デトックス方式。ライトユーザー対象。4日間で、血液、尿、唾液を永久にクリーンにします。本製品は、有毒物質を完全に除去し、さらに、お好みのドラッグ検査キットがふたつ付属します。79,99ドル。
付属の説明書をスキャンしました(英語)
1日目
クレンズ準備用タブレット3錠を1時間おきに飲み、それを5時間続ける。合計15錠服用。1日を通し、コップ3杯のクランベリージュースと、約3リットルのミネラルウォーターを飲み、できるだけ頻繁に排尿する。
2日目
1日目と同様に準備タブレットを服用。クランベリージュースと水を飲み排尿。
最後のタブレット服用から3時間後に、Anti-Toxin Formulaを飲む。
3日目
約6リットルの水と3カップのクランベリージュースを飲み、できるだけ頻繁に排尿。
4日目
ビタミン剤を飲む。水分の摂取量を通常に戻す。最低2回排尿した後、付属の検査キットを使ってテスト。
*また、期間中は、塩分、脂肪分の高い食品は禁止。缶詰、加工食品、乳製品なども食べられません。
要するに、食事制限をしつつ、利尿効果のあるクランベリージュースと水を大量に飲んで排尿をくりかえし、尿を薄める&謎の液体Anti-Toxin Formulaでスクリーン(隠蔽、偽装)する、というダブル方式。
スクリーン製品のウソ
さて、謎の液体Anti-Toxin Formulaは、ちょうどヤクルトくらいの量。プラスチックボトルに貼りつけられた紙によると、その成分は、ポタシウム 5mg、硫酸塩55mg、リチウム 1.5mg、ホウ素1mg、マグネシウム 250mg、塩化物 700mg、ナトリウム 10mg
クレンズ準備タブレットは、マグネシウム、カルシウム、セレン、クロム、亜鉛、マンガン、ヨウ素、鉄、銅, リン, コバルト、シリコン、ナトリウム、硫酸塩、ホウ素、カドミウム、ガリウム、 ゲルマニウム、フッ化物、リチウム、ニッケル、窒素、ストロンチウム、 スズ、バナジウム
スクリーンとは、ある物質を摂取することにより、尿内の薬物の痕跡を偽装して隠す方法のこと。その、「ある物質」としてよく使われるのが、ヒドラスチスとういハーブや、ナイアシン、硫酸亜鉛などなのだが、いずれもその効果ははっきり否定されているとのこと。スクリーン製品の業者は、これらの製品が、有毒物質を排出したり吸収するのだと宣伝しているものの、科学的な証拠はない。もし、スクリーン製品を使用した結果、テストが陰性になるのであれば、それは水分を大量にとって排尿をくりかえす洗浄効果によるものだろう、と。つまり、
インチキじゃん!
THCは、脂肪細胞に蓄積される。ヒドラチスをはじめとする様々なハーブが、THCの副産物を細胞から除去してくれるという話があるのだが、まったく根拠のない噂。THCを脂肪細胞からとりのぞく唯一の方法は、運動をして脂肪を燃焼させることのみ。そして、テストの直前に水分をたくさん摂る。これで、一時的に尿を薄めることができる。テストの数日前から水を大量に飲みはじめる人が多いのだが、これはまったく意味がないそう。なぜならTHCは水には解けないからね

【旅日記】
ニューメキシコ州タオスにあるニーム・カロリ・ババ・アシュラムに滞在中。ニーム・カロリ・ババ?なにそれ?という人も、60年代ヒッピー小僧のバイブル『ビー・ヒア・ナウ』の著者ラム・ダスが、インド行脚中に出会い、弟子入りしたグル、と言えばわかる人も多いのでは。そう、1200マイクログラムのLSDを飲んで、なにごともなかったかのように平然としていた超人のことだ。
「わたしの心は、神としっかりくっついているんだ。だから平気なのさ。多くの聖者は怖がって飲まないだろう」

北インドのサドゥーで、バクティ・ヨーガの行者だったニーム・カロリ・ババ、通称マハラジは、60-70年代、ラム・ダスをはじめ、ミュージシャンのクリシュナ・ダスやジャイ・ウッタルなど、アメリカ人のファンを多くかかえていた。1973年、マハラジはマハーサマーディに入る。つまり、亡くなったということなんだが、残されたアメリカ人信奉者たちが、集い、語り合う場を持ちたいという願いのもと建てられたのが、このアシュラムなわけだ。
インドからやってきた大理石のハヌマーンが鎮座するテンプルには、遠方からインド人がたびたび訪ねてきては、花を捧げたり祈ったり。しかし、ここを訪れる人たちの多くは、敬虔なヒンズー教徒というわけではない。タオだったり、スーフィーだったり、ヒッピーだったり、旅人だったり、地元のティーンエイジャーだったり。ここもまた、共に働き、共に生活を営むインテンショナル・コミュニティなのである。地元の人たちにとっては、仕事後に訪れて、ホッと一息つけるピースフルな場として機能している。リラックスした雰囲気のユニークなコミュニティだ。
Food is the best intoxicant. Love is the best medicine.
アシュラムでは、無料で食事を出している。これがとてもおいしい。マハラジは、おいしい食事を摂ることに価値をおいていた。全身の細胞が喜ぶおいしいご飯。それこそが、ハイになるための嗜好品として最高のものだ、と。ラマ・ファウンデーションでもツイン・オークスでもヴィパッサナー・センターでも、とにかく食事がおいしくありがたく感じた。愛のスパイスが効いているからなのか。人をトランスフォームさせる力を持つ、最強の薬。それはアヤワスカでもケタミンでもなく、愛なんだ、愛。これもまた、マハラジが強調していたこと。

もうひとつ、マハラジは、セーバ(seva)の大切さを説いている。サーブ、奉仕すること。私は昔、ボランティアをする人を見て、「知らないうちに他人の売名に加担させられ、奴隷のようにタダ働きするなんて、ずいぶんなお人好しがいるもんだな」と思っていた。
見返りを求めず他人に奉仕する。それは、エゴを減らしていくための、自分自身のスピリチュアルな修行の一環なのだということ。その気持ちは、魂の浄化が進むにつれて、自然にわき上がってくるものなのだということ。最近それがやっとわかってきた。
ラムダスは現在78歳。今年2月には、ハワイのマウイで行われたパーティーで元気な姿を見せた。 (CoSM Blog)
↑アシュラムのキッチンでよくかかっている、クリシュナ・ダス (Krishna Das)の音楽。おすすめです。
【旅日記】
アメリカ、サウスウェストには、ふしぎな開放感がある。都会からやってきて、この土地と恋におち、そのまま住みついてしまった、そんな人も多い。Land of Enchantment(魅惑の地)というニックネームをもつニューメキシコ州。その北部、ラス・トランパスにあるジェミナイ・ファーム(Gemini Farm)に行ってきた。素晴らしかった!
車一台がやっと通れる赤土のデコボコ道。その行き止りにたたずむアドービ(アドベ)ハウス。太陽の愛でこんがり焼かれた赤茶色のナチュラル建築は、泥とワラでできているそう。丸みのあるオーガニックなたたずまいは、自然とよく調和する。開けっ放しのドアから中に入ると、食卓を囲む4人の男に歓迎される。「ウェルカム!」
ジェミナイ・ファームをはじめたのは、ニューメキシコ州サンタ・フェ出身のティーグとコズマ兄弟。西部開拓時代の山男のような風貌にぶっ飛ばされる。
「メディアは人をダメにする」
ふたりは、メディアに踊らされる生き方を放棄した。山奥で自給自足生活をするぞ、という勇気ある選択をしたのは7年前のこと。兄ティーグは大学を卒業して間もないころ、弟コズマは高校を卒業したばかりのころだった。
地元の農家で農法を学び、山に囲まれた7エーカー(約8500坪)の土地をリースする。1年目は赤字だったが、次第に利益が出せるように。ファーマーズマーケットにも出店している。現在では、手作りのグリーンハウスも完成し、ラバ、ロバ、ヤギを飼育。敷地内を流れる小川で採れた魚を焼いて食べ、フルムーンの夜にはスウェットロッジで親交を深める。コズマは、イスラム教徒の友人から、ヤギの解体の仕方を学んだ。彼はヤギの皮を使って、ドラムを製作している。
「音楽が好きで、共同生活が好きで、自然の中で働くのが好き。ここには、僕の好きな物がすべてそろっていたんだ」
と言うのは、ファームに滞在して2ヶ月の若いトラベラー。彼は、ここでドラムの作り方も教わった。
あまりにも素晴らしくて、本気で嫁ぎたいと思ったほど。(カメラを持って行かなかったので写真なし)
バッドトリップの正体はなんでしょう?セットもセッティングも完璧なはずなのに、どうしてバッドトリップが起きるのか。
グルグルめまいに、視界はモヤモヤ、キラキラ、はげしくブレる。思うように体をうごかすこともできず、声は言葉にならない。全身が溶解して、自分と外の世界の区別があやふあやになってしまう・・・。
怖い。反射的にそう反応してしまう。もし、まったく怖くないという人がいるなら、その人はちょっとおかしい。
ではなぜそんなに怖いのか。上にあげたような作用が起きることは、前もって知識として知っているはずなのに、どうして怖いのでしょう。
体験したことのない未知のものへの恐怖でしょうか。それもあるかもしれません。しかし実は、慣れ親しんだ既知のものを失う恐怖のほうがずっと強い。あたりまえの現実がなくなってしまう、自分が消えてしまう。そのため現実に必死にしがみつこうとする。抵抗すればするほどつらくなる(その抵抗をやめるとき、最悪のものは最高のものへと変わるのだが、それはまた別の機会に)。向こう側の世界へ行きたい、サイケデリック体験をしたい、頭ではそう思っているかもしれないが、しかし、無意識層では、慣れ親しんだ現実にがっちり執着しています。
しかし、お父さんが森のシャーマンだったとか(いるのかな?そんな人)、ヨガ行者だったとかして、変性意識状態に入ることが、神と一体になるための過程として歓迎される文化背景で育ち、自分で体験したことはなくても、身近にそのような人を見ていたりする場合は、この手の恐怖はずっと少ない。そのときどんな困難が起きるのかを知っているし、さらに、それを歓迎する周囲のサポートもある。
セッティングに気をつけるのは基本だが、なぜバッドトリップがおきるのか、恐怖の源がなんであるのか、それを知っているか知らないかの違いだけで、バッドトリップに対する向き合い方が大きく変わると思います。

【旅日記】
テレンス・マッケナは、「(人類の)歴史は終わるだろう」と予言した。それが、無数のサイケデリック体験の果てに辿り着いた結論なんだそうだ。テレンス・マッケナは大好き。いつも彼の奇想天外な仮説をうなずきながら読んでる。でも、私がサイケデリック体験から導いた結論は違う。
「歴史は終わりそうになるが、持ちこたえる」
自分の利益だけをガツガツ追いかけてきた結果、環境も金融システムもめちゃくちゃ。マヤや易経やウェブボットプロジェクトが予言したように、世界は着々と破滅にむかっているのかもしれない。
しかし、ホピ族のエルダーはこう言っている。
“We are the ones we’ve been waiting for.”「待ち望んだ救世主、それはわれわれだ」
(オバマ大統領も演説で言ったそうだが・・・)
だれかが突然、魔法のように世界を変えてくれるわけではない。私たちふつうの人たち、モニタの前のあなたの意識と行動が世界を変えていくんだと思う。
競争社会から、協力社会へ
私が考える未来の予想はこんな感じ。
まず、資本主義は終わる。ごく少数の上層部が力をもち、庶民を食い物にする時代は終わるだろう。しかし、資本主義は、格差や貧困という苦しみを生みだしたものの、商取引を通じて世界をひとつに繋げたという事実も忘れてはならない。そう考えると、資本主義の役割は、次のステップへジャンプするための準備だったのかもしれない。跳び箱の踏み板みたいな存在。
で、次のステップ、資本主義を次ぐ時代とはどんな時代なのか。コミュニティにやってきて、その答えがうっすらと型になってきた気がする。
それは、グローバル・コーポレーション、コラボレーションの時代!人を押しのける「競争」から、共につくりあげる「協力」「共同制作」の時代へ移り変わっていくのではないか。そのノウハウや人材は、資本主義が築いたコミュニケーションと交通手段で相互利用される。
どんな道を歩いて、そこへ辿り着くのか
協力社会では、お金や物を集めることは控え、便利さや快適さも多少あきらめなければならない。ダイナミックな価値観の方向転換が必要なのだ。しかし、無理に我慢すればストレスになってしまう。そこが難しい。
ありのままの自然に大切にすること。畑の野菜が日々成長してゆくのを見届けること。見返りを求めず人に奉仕すること。自分の技術や知識を、人のために惜しまず出すこと。一体どうしたら、そんなことに心から喜びを見いだせるのだろう。
いつも私の考えを読んでくれている方には繰り返す必要はなさそうだが、そう!サイケデリック体験がおしえてくれると思うわけ。
コミュニティはやっぱり理想郷だった
おもしろそうなことを求めてやってきたものの、コミュニティでの生活はけっこう大変である!それでも、とても楽しい。ここには、カリスマチックなリーダーも、最強のドラッグもない。ここで必要なのは、消費する資源を最小限におさえつつ、自分の食べ物を育てたり、天然の材料で住まいをつくったりという、生きてゆくための基本的なスキル。すすんで協力すること、奉仕する喜びという土台に支えられた、対人スキル。資本主義を次ぐ社会の姿は、そんなシンプルなものかもしれない。
社会のはみ出しっこが集まって作られたコミュニティ。とは言っても、息苦しい社会から逃げこむ場ではないのだ。ここでは、実は自分こそが、その社会(コミュニティ)を構成する重要な一員であることを自覚させられる。理想のため、信じることのために、謙虚に暮らす場なのだ。
傷だらけの世界を救うのは、ひとりひとりの価値観の方向転換だ。難しそうだが、大丈夫。サイケデリック体験がサポートしてくれる(笑)。ひとりの小さな行いが、周囲の人や環境だけでなく、人類の未来にまでどんなインパクトを与えていくのか、今一度ふりかえる機会を与えられたことに感謝し、私はコミュニティを後にすることに決めた。


【旅日記】
1967年に創設されたツイン・オークスは、アメリカでもっとも成功しているコミュニティのひとつ。100人ほどのメンバーとビジターが暮らす。450エーカーの土地で有機農業を営み、50%の食料を自給自足している。すべての住人は週42時間の労働をする。ハンモック作り、豆腐作りといったコミュニティビジネスの他、畑仕事や料理、掃除などの家事もカウントされる。実際やってみると、けっこう忙しい。好きなことばかりやって遊んでいるわけではないのだ。また、仕事の指示を与える人はいるものの、上司や部下といった上下関係はない。労働する時間や曜日も自由。毎週行われるミーティングでは、多数決で決めごとをしたり、対人関係の問題がとりあげられる。ツイン・オークスの近所に位置するエイコーン・コミュニティの住人は約20人。大きな家族といったところだ。
自分の物はみんなの物、みんなのためは自分のため
音楽やゲーム、ダンスパーティー、豊作を祝う儀式だなんだと、毎日おもしろそうなことをやっている。自由な生き方を選べる。などと言うと魅力的に聞こえるかもしれない。しかし、ここでの自由は与えられるものではなく、自発的に役割をはたして、みんなで作りあげるもの。畑仕事はかなりのハードワークだし、掃除や皿洗いはつまらない。快適さ、便利さもあきらめなければならない。個人的な夢や目的の追求は控えざるをえない。なにかするときは、自分のためではなく、コミュニティのためになるかどうかを第一に考える。現金報酬もほんの少しだけもらえるものの、コミュニティ生活になんらかの価値をみいだして働かなければ、とても割にあわない。そして施設は古く、汚い。穴のあいたシャツもあたりまえ。
しかし、コミュニティ内では、お金がなくて困ることはない。そもそも金銭のやりとりは一切ないので必要ない。無一文で辿り着いても、すぐに生活をはじめられる(入会金や家賃がかかるコミュニティもある)。「お金がない」という苦しみから解放される。
コミュニティはカルト?
コミュニティに対する世間一般の印象はよくない。自分がよく知らないもの、なんとなく虫が好かない宗教じみたもの、それだけの理由で「カルト」と呼ばれる現実がある。FBIのスパイが潜りこんでいる、といった噂もたつ。イメージ改善のために、外の地域住民との交流にも力を注いでいる(そのためか、ドラッグの匂いはしない!)。

なんだろう?当初、なにかピンとこないものがあった。60年代の理想が崩壊した喪失感なのか。社会の方向性を変えてしまうようなラディカルなエネルギーも、変革の時代を率先するプログレッシブな勢いも、ここには見当たらない。ただ広く青い空と緑、笑顔とアコースティックギターと池に飛び込む裸族、じゃがいもと人参とおいしい井戸水、そよ風にたなびく洗濯物があるだけだ。それで十分じゃないか。いつしかそう思うようになっていた。
そんな困難や偏見がありながらも、はっきりしていることがある。住人はみんな、自分たちのコミュニティをこよなく愛している。
つづく
世界中のインテンショナル・コミュニティを検索(英語)
